派遣を始めるには許可又は届出が必要です。

派遣業を行うためには、一般派遣の場合は、厚生労働大臣の許可が必要ですし(派遣法5条)、特定派遣を行う場合は、厚生労働大臣への届出が必要)派遣法第16条)となります。

 

ご存知の方も多いと思いますが、一般派遣というのは、働くことを希望する人が、事前に派遣会社に登録して、派遣先が見つかった段階で、派遣会社と雇用契約を結んで、派遣契約の期間が満了すれば退職するというもので「登録型」とも呼ばれます。
一方、特定派遣は、すでに雇用契約を結んでいる常用雇用の労働者(期間の定めの無い雇用契約を結んでいる労働者)を派遣するもので、「常用型」とも呼ばれています。
後者のほうが、労働者の雇用の安定が図られているので、届出のみでOKとなっています。

 

派遣の許可又は届出を行う先は、条文では厚生労働大臣となっていますが、実際には各都道府県の労働局へ行うことになります。

 

ちなみに一般派遣と特定派遣の両方を行いたい場合は、一般派遣の許可のみを取得すればOKです。

人材派遣を行うことができない業種

私どもでは、派遣の許可等に関するご相談を随時、無料でお受けしているため、過去、1000件以上のご相談を頂いておりますが、派遣禁止業務についてのご相談が多いので、ここで回答させていただきます。

 

派遣を行うことが出来ない業務というのは、大まかに書くと、港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関係の業務(ただし、一部除く)、人事労務関係業務の一部、弁護士・税理士・社会保険労務士など士業、建築事務所の管理建築士となっています。

 

この中で、特にご質問が多いのは、やはり建設業ですね。建築現場への派遣で許可を取りたいとおっしゃる方が結構みえます。
しかし、実態がどうであろうと建設現場の作業員として労働者を派遣することは禁止されいますので、どうやっても派遣することはできません(ちなみに施行管理業務や現場事務所の事務スタッフはOKです)。

 

では、なぜ、こういったご相談が後を絶たないか、それは、建設業で長年行われている「人夫出し」「人夫貸し」という慣行が原因だと思われます。
ただ、何度も言いますが、建設現場への「派遣」は禁止されています。実際、これらを行って、派遣法違反として逮捕者がでることもめずらしくありません。